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娼年のkoyamaxのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
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(採点してません、0点にあらず、、)
普通の世界にいた大学生が娼夫の世界に入り込み、その才能を開花し、様々な女と渡り合う話。

松坂桃李の熱演もあり、隠れていた才能に覚醒することで、それ以前の自分へ後戻りできない、彼岸へ行ってしまった男の話として観ました。


原作もそうなのかもしれませんが、
夜にこだわらず、昼間の光の雰囲気を尊重しているのがいいですね。
「鶯谷」とか「円山町」とか場所のテロップ(明朝体)がわざわざ出るところも、彩度が浅い画作りと相まって雰囲気あります笑

みんなは真面目に働いている時間の中、「わたしたちはこんな淫らなことをしちゃっている」的な喧騒の裏で展開しているという雰囲気づくりはこだわりが感じられました。
何回かそのシチュエーションがあったのでよほどかと笑

個人的には松坂桃李氏と西岡徳馬氏と佐々木心音のシーケンスはかなり秀逸なくだりでした。ここが一番躍動感があり、生を感じるし、何回も見返しみてしまいました。
このシーンは全員真面目にやっているからこそ、笑えます。

ひたすら即物的で、性描写もある種の格闘映画のような趣ですが、性描写の果てにある、精神的な対話のようなものに触れています。欲をいうと、さらに深く、もっとただれた部分や美しくない部分も観たいなとおもいました。

ほぼ全裸での展開ですが、エロスという感じでもなかったかもしれません。しかしその徹底が潔かったようにもおもいます。

変身して誰かを救う、ある種のヒーローものオリジン1作目としてみることもできるかもしれません。
ここでは女性を救ってます。そのための悲哀もありました。
松坂桃李と松坂桃李ファンが望んでいれば、違うアプローチでも続編が作れそうですが、どうなんでしょう。
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