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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のnmiのレビュー・感想・評価

3.8
彼は美しい生活に人並み外れたエネルギーを注力して実行し、真心を込めて努力し続ける性質(あえていえば才能!)を持っていて、とくに細部へのこだわりが常人を超えているように見えた
デザインするものにはすべてストーリーがあって頭の中には理想のイメージがあって(ある洋服の組み合わせを指し「この服は"金持ちの女性のイメージ"で、25匹の猫を飼って部屋の隅にいるような女性のイメージではない」など)、恋人や仲間、大切なものたちにとっては優しく頼もしい人間のようで、ファッションデザイナーなのに本人は全然着飾らないどこにでもいそうなおじさんっぽい見た目をしていたことも不思議
それにしても柄on柄なのに品位を保つバランスや色彩が絶妙
「青が青すぎる。もう少し紫を強くしてほしい。」と言っていたのも印象的だった
彼の恋人は自分に厳しい彼とは真逆の優しそうな福耳を持ったパートナーで、関係性の円満さは視線の掛け方ひとつとってもわかる。ショーのあとに毎回恋人とハグし合うところが映し出されていたのも人間味と愛が垣間見えた
印象に残ったショー演出⇨ウエイターの鐘の合図でゲストたちが目の前の席に着き、晩餐会の形式でテーブル上をモデルたちが颯爽と歩いているショーがほんのり悪趣味で超かっこよかった(BGMがクラシックの《ボレロ》なのも良い)
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