いくらサーモン生ハム

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のいくらサーモン生ハムのレビュー・感想・評価

4.0
「ポケット付きのズボンだ、手を入れてくれ」

これは良いドキュメンタリーだと思った。
2回3回見直してもいい。
いやー音楽もなんともでしゃばってなくていいねーと思ったらレディへだったわ。

まあ、ドリスの服を知っている人ならそこまでびっくりするような話はないだろう。
だいたい想像した通りのスタンスで、期待を裏切らなくて、安心した、裏が取れたという気がした。
ああいうものはああいう感じじゃないと現れてこないのだ。
私はファストファッションが1回で飽きるとまでは思わないけれど、デザイナーズと比べればどうしても幅や奥行きがないし、資源を浪費したくないので、できれば長く着られるようにとデザインされたものを買いたい。ただいくら共感したところで、今はプロパーで毎シーズン買うのは無理だけど…服も二極化が進んでいるように感じていて危機感を持っている。
しかしこのようなデザイナーが成立するのはこれからより厳しくなっていくのかもしれない。物作りと商業的な成功と。コレクションブランド、という土俵じゃなければ成立するのかもしれないが。
(個人的にはそもそも、毎年コレクションをやるのは多すぎると思うが…ドリスの考えからいっても、毎年は実際作りすぎだろう)

庭は良かった。デレク・ジャーマンを思い出した。
自分でも庭仕事をすることがあるんだ、手を動かすことが好きなんだなあという感じがほっとした。
庭自体もいいんだろうけど、庭でのカメラがよかったような気がする。

どうでもいいいや良くない気もする、1点細かい不満点は、2001年の話をしたときに、ラングが字幕で訳出されなかったことです。ちょっとー。