ロアー

Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~のロアーのレビュー・感想・評価

3.5
ディケンズの名作『 クリスマスキャロル 』がどのようにして誕生したのか、コミカルに描いた作品です。
レンタルしたDVDの予告で観てすぐさま「これ観たい~!」ってチェック入れたものの、主要なVODでは配信がなくてガッカリしてたら、偶然【スターチャンネルEX】にあるのを発見できて抜群のタイミングでした(元々スターチャンネル製作の映画だった)

『クリスマス・キャロル』は小さい頃、ディズニー版の絵本で読んでからずっと記憶に残っている思い出の作品です。原作を読んだのは大人になってからだったけど、今でも絵本の挿絵のひとつひとつ覚えてるくらい当時は何度も何度も絵本を読み返した記憶があります。

ディケンズが出会う人々の名前、その人たちが言った言葉の端々に『クリスマス・キャロル』につながるヒントがあって、実際に執筆が始まる前からわくわくし通しでした。
主人公スクルージの名前を思いついた途端、ディケンズの目の前にスクルージが現れる演出も好きでした。まさに”降りてきた”って瞬間ですね。

スクルージ役はクリストファー・プラマーだし、舞台「スクルージ!」で主演を演じている市村正親さんが吹替だったので、安定感も説得力もそりゃ間違いなしでした。

希望に満ちた楽しい映画でしたがそれだけで終わらず、ディケンズ自身の辛い過去やお父さんとの関係に向き合うことが、小説の完成につながるというラストもすごく良かったです。

ところで、観てる最中ダン・スティーヴンス演じるディケンズのいつも何かに急いでるせわしなさにずっ~と既視感があったんですが、ふと気づきました。優待券の期限が迫ってる時の桐谷さんだ(おい)。

MEMO---
・めっちゃいい旦那さんの時と荒れてる時と、奥さんもあれはホント苦労しただろうな。
・”武士は食わねど高楊枝”って、英国紳士にも通じることわざだと知りました。”紳士は食わねどパリッとした服”。
・批評家サッカレー、ん?サッカレー・・・あっ、ウィリアム・サッカレーかっ!って気づくのに最後までかかってしまった。
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