ダイセロス森本

Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

4.7
Charles Dickens published "A Christmas Carol" on December 19th, 1843. By Christmas Eve every copy has been sold. Overnight, charitable giving soared.

「クリスマス・キャロル」を執筆したチャールズを追う物語。主演は我らがダン・スティーブンス。大好きだわやっぱり。個性的な役が本当に似合う。彼自身も相当ユニークな人間なんだろうと思える演技ばかりしてくれる。楽しくて仕方ない。表情の変え方はピカイチで、何を考えているかすぐわかる顔を作れる最高の役者といえるよ私は!。

作家に結婚は向かねえよなあ…っていつも家族持ちの作家を見ると思う。やっぱり彼らの頭の中って普通じゃないから、それを普通の妻や子供が邪魔しないようにしていても邪魔になるし、それを気遣う家族もまた疲れるし、段々彼のことがわからなくなってくるだろうなと、この作品もまたそういう家族だった。でも最後はもちろん、クリスマスだからね!

彼は作家として最高で人間として大分やばい”幻覚”とおしゃべりしちゃう系作家なんだけど、自分のキャラクターが目の前に現れたり、会話したりしながら作品を紡いでいくからとにかく傍からみたらやばい。
自分が生んだはずのキャラクターに左右されてしまう彼がとても面白いが、だんだんその背景にある暗い過去を見せられて、彼はどういう生い立ちの中で性格を人格を形成していったのかがわかり、ただ面白いだけじゃすまなくなってくる。

周りに”You're freak of nature!"と肩を叩かれる人間。そんな人間が描く作品。うーん!人間って本当に謎!。


とっても良い話。面白いし、やっぱりイギリスの丁寧さはとても伝わるし、アクセントが最高。装飾も1800年代だから綺麗だし、やっぱり建物や服装はここが一番好きだなあ。イギリスだけこの世界に永遠にいてほしい。いつでも遊びに行けばそこにはこの服装と馬車と手書きの小説家がいてほしいなと、いつも思う。