キナ

アース:アメイジング・デイのキナのレビュー・感想・評価

5.0
確かに同じ星の同じ時を生きている地球上の生物たちの一日。
久しぶりにネイチャードキュメンタリー映画を観た。心が浄化される…。
人間に可愛がられていない、自然の中の生物たちの姿は本当に美しく楽しく惹かれるものがある。

彼らの生活やそれに伴い起こる出来事は実にドラマチック。
食事をするだけでも、移動するだけでも、生まれた直後でさえ命の危険がすぐ側にある。
細かいところにスポットを当てて、見たことないような場面を時にスリリングに時にコミカルに演出してくれるのでとても面白く観られた。

産まれたてのウミイグアナvsガラパゴスヘビの追いかけっこが一番好き。
ホラー映画のワンシーンさながら、ニョロニョロと集団で追い詰め待ち伏せして一気に絞め殺すさまが非常にスリリングでゾクッとした。
これで演技無しとかまじか、と頭の悪いことをついつい考えてしまう。

草のてっぺんに登ってグラグラしちゃうカヤネズミはキュートだし、ヒグマの樹木ダンスはコケティッシュ、縄張り争いをするキリンはハードボイルド、カゲロウの生涯はあまりにも儚く、シマウマの家族愛にグッとくる。
これからの人生何か辛いことがあったり仕事が忙しかったりしても、パナマの島ではナマケモノが私の代わりにのんびり寝ているんだと思ってやり過ごそうと決めた。

10年前のアースに比べると、生物たちの1日の小さな出来事をそのまま切り取って見せていてスケールは若干こじんまりした印象も。
しかしダイナミックな映像は期待通りで、それ以上に驚くほど密着した映像も多くて満足感がすごい。
この類いの映像を観るとどうやって撮ったんだと感心せざるを得ない。
定期的に色々なシリーズを観たい。虫の世界やジャングルに特化させたり、また海の中メインにしたり。

佐々木蔵之介のナレーションが心地よくてとても良かった。
キナ

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