桃子

EMMA/エマ 人工警察官の桃子のレビュー・感想・評価

EMMA/エマ 人工警察官(2016年製作の映画)
3.3
「お蔵入り映画」

これは劇場で公開された映画ではないとのこと。2016年10月6日にTF1(フランスの民放テレビ局)で一挙に放送された“連続”ドラマの第1話と第2話で、連続ドラマ化を目指したパイロット版だそうな。結果として連続ドラマ化はされず、お蔵入りになったらしい。何がいけなかったのか。けっこういいセンいっていると思ったのに。まあフランス人の好みに合わなかったということなのかもしれない。お蔵入りということは、もう続編はないということである。これから先はどうなるのか?という所で終わっているので、そういう意味では欲求不満爆発映画と言えるかも。
当然のことながら、「ロボコップ」を思い出した。マーフィー巡査はサイボーグだったけれど、エマはアンドロイドである。それも見た目には全く人間そのもので、誰もアンドロイドだなんて気が付かないという設定。いやー、さすがにこれは無理があるでしょー でも、いいんですよ、それで。映画ですもん。なんでもアリを実現させるのが映画というものだし。「エイリアン」に登場したアンドロイドも、人間と全く変わらない外見をしていた。体液が乳白色というのに驚いたっけ(笑)
エマを演じているソレーヌ・エベールという女優さんはちょっとだけブルック・シールズに似た美人さんである。冒頭で、相棒になるフレッド警部が「モデルになった方がいいんじゃないのか」的なことを言う。フランスでも婦警さんは美人がいないということなのかと、笑ってしまった。とびきりの美女ではないのだが、知的な雰囲気がとてもいい感じだ。誰とは言わないけれど整形手術をしまくってアンドロイドみたいな顔になってしまうタレントさんとかがいるので、そういう風貌に比べたらよっぽどいい。外見だけではない。「人間ではない」という設定なので、そういう言動をしなくてはならないから、そのあたりも非常に演技が上手くて感心してしまった。
物語も面白いし、エマも魅力的なのに、なんでお蔵入りかなあ。重ね重ね残念。別の意味でもったいない映画である。
桃子

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