何度か鑑賞してます。
公民権運動の時代を経ても長年染み付いた習慣や考え方を変えるというのは難しいものです。
田舎町で起こった殺人事件。
黒人で現金を持っているというだけでしょっ引く保安官サム。
今も変わらないんだねぇと、暗鬱とした気分になります。
殺人課の刑事と知っても、黒人に協力依頼をするなんて、プライドが許さないのでしょう。
異質に見えるものに対しては支配欲が頭をもたげます。
礼儀を教えてやろう
などという欺瞞たっぷりなセリフを盾にリンチしようとする輩には嫌悪感しかありません。
不満をぶつけるところがそこしかなかったのかもしれませんが…。
黒人差別の思想を持ちつつも、バージルの捜査の仕方に関心を持ち、見るうちに署長の態度が少しずつ変化していきます。
その姿に観客は共感を覚えるはずです。
ポワティエの演ずる黒人は、白人が望む姿なのかもしれません。しかし、ポワティエが映画にで続けたことは今に繋がります。
白人が望む姿を演ずることにより、黒人俳優たちの道筋ができていったことは明白です。
そんな事を頭に思い浮かべながらも、バージルのキャラクターの格好良さが際立ちます。