塔の上のカバンツェル

夜の大捜査線の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

夜の大捜査線(1967年製作の映画)
4.0
公民権運動の渦中で製作された作品であるので、劇中に平然と使われる"二グロ"という単語など、

現2020年、人種間対立と経済格差の鬱憤が頂点に達した今から観れば、間違いなく不快だし、頭に来る描写があまりに多い映画。

だけれども、最終的に刑事としての誇りと意地から事件解決に執念を燃やすティッブスと、差別意識を隠そうともしない警察署長との関係性が、終盤になると人種間の対立よりも、余所者として阻害される両者の関係が奇妙なバディになる瞬間が訪れ、

ラストシーンに繋がるのは、純粋にこの世界にあって、微かだけど希望を投げかけてくれると思う

その意味で今作の持つ意義と、力強さは少しも掠れてはいないと思います。

良作。