三四郎

花くれないにの三四郎のレビュー・感想・評価

花くれないに(1957年製作の映画)
3.0
色褪せているが景色の美しい映画だ。街も草原も古き良き日本。
「人は幾つになっても初恋の相手は忘れられないんですね」

砂山の砂に腹這い
初恋のいたみを遠くおもい出ずる日

都、西北大学って!笑
dream先生…夢のように美しい音楽の先生。小山明子も先生役がよく似合っている。
筋が『坊っちゃん』に似ていると思いながら観ていたら、科白の中で漱石の『坊っちゃん』に言及していた。そして『青い山脈』のような酷いラブレターも出てくる。
最後の男子生徒、女子生徒、それに先生を加えたハイキング、流れる歌、『青い山脈』を思わずにはいられない。純粋なる青春の謳歌。
男女別学、旧い教育論、街の権力者(PTA会長)にペコペコ頭を下げて付き従う教師…。バカバカしく思うが、時代が変わっても因習的なものはどの社会、どの分野にもあるものだ。

権力者の息子が世の中や父親に絶望し自殺しようとする筋など、陳腐で安易で、非常に残念だった。テーマはいいのだから、もう少し深く掘り下げて欲しかった。

短縮版のようで、高橋貞二と小山明子がどのように仲良くなったか全く分からず…。
三四郎

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