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セント・エルモス・ファイアーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.0
もうこんな歳か。こんな大人になるはずじゃなかったのに、気持ちは学生のときと何も変わってないのに時は経ってて。一回喧嘩しよう、そしてもうちょっとだけ言い訳させていて。ぶつかって数歩戻って一歩進んで、じゃあ前より仲良くなってるはず。フレンズを見たときのように当時を体験していなのに、どこか懐かしい気持ちになるーーーー若かかりし頃に思いを馳せる、大人になれない大人たちの恋(だけじゃなく結婚)や仕事の足掻き。責任が伴い始めて人生に悩んでいる、大学生に戻りたい!人生の意味を考えて、手に入らないものや取り戻せないものに思いを馳せる。叶わなかった夢も含めて夢の続きを見るように旅はまだまだ始まったばかり、今からでも本気になるのに遅すぎることはない。セントエルモの火(夜空に突然現れる発火現象?)が人生には必要。微かな光でも道標が。そうやっていつもの溜まり場から少しずつ離れていく。本作は見ているとはあんまり面白くない瞬間もあるのに、見終わった後の爽快感・染み入る感じはズルい、反則にいい。
Love sucksーーーー青春・学園から一歩成長した当時の若手オールスターキャストで、ジョン・ヒューズと同じキャストがたくさんいることが学園映画好きとしては感慨深いし、スゴく嬉しい!彼の気に入っていなかった人・エミリオ・エステヴェス(『ブレックファスト・クラブ』)と、お気に入りの人・アンドリュー・マッカーシー(『プリティ・イン・ピンク』)はライバル関係みたくなるし。ムキムキおばさんになる前の最強に魅力的なデミ・ムーアに、相変わらず最高に綺麗なアンディ・マクダウェル。好きなコの彼氏のリストが長くなればなるほどツラくなるよな。
感情に寄り添いまくり感動を盛り上げるサントラ補正も。あまりに素晴らしい音楽が心に突き刺さる一方で、少し急で時に弱く感じてしまう脚本はそこまで笑えない。けど確かにノスタルジックな気持ちにはなるし、そのロマンチックさも嬉しいからやっぱり多少の力業(急にシリアスになったり)は気にならなくなる。ジョエル・シューマッカーってこんな素敵なお話書けるんだ。そういう意味でバリバリの80年代モノで、確かに今見直すと色褪せているけど、それすらも魅力にして普遍性を得つつある。あとラブ・アクチュアリーや冬ソナを先駆けているというのが一番驚き!
「学校は最高だったな。今はあんな日々ありえない」泣ける
「みんな昔の友達に戻りたいのに!」
「友達は永遠だと思ってた」「永遠もずいぶん短くなったな」
「皆曲がり角なんだ」「22歳でこんなに疲れるなんて」「仲間がいるさ」「私見破られるのが怖かった」
「まともになろうとしすぎていた」
「誰と初めて会ったのか、誰と初めて恋をしたのか。私たち7人はいつも一緒だった」
勝手に関連作『セイエニシング』『待ちきれなくて...』『ブレックファスト・クラブ』『200本のタバコ』
TOMATOMETER44%AUDIENCE68%
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