ホースソルジャー
9.11のテロ事件の後、アメリカ軍が最初に行った反撃は12名の特殊部隊を送り、反タリバン勢力と連合して、タリバンの軍事的要所を落とす任務だった。
映像には臨場感があり、音響も良くキャストの演技も良かったと思います。
ただし、上記を差し置いてまず初めに抱いた感情がこの映画が持つメッセージの不気味さ、気持ち悪さでした。
恐らくアメリカ人なら誰しもが思い出すニュース映像から始まり、テロ行為に対する嫌悪感で観客の気持ちは一体に。
そこに主役として登場するのは、大人気のヒーローを演じるクリスヘムズワースで悪のアルカイダをヒーロー(アメリカ軍)が倒す勧善懲悪物語でめでたしめでたし。
これに対してあまりにもアメリカ軍の闇を描いてない点が多すぎるのが非常に気持ち悪く、不気味でした。
アフガニスタンという土地が不安定になり始めたのは、元々ソ連の侵攻があり、そこへの対抗勢力としてムジャーヒディーンと呼ばれる反ソ連勢力が台頭してきた。
またソ連の撤退後も、同士が内戦を起こして軍閥を形成し戦闘が続いているといつ状況にある。
(映画で登場する北部同盟のオリジンもここ)
ソ連侵攻時は、アメリカ軍は武器を支援する側として参画しており、そもそもの原因を作っているとさえ言える。
アメリカ人としてテロ行為が許せないというのは分かる。
でもそれに対して武力はより強い武力で抑圧すれば良いというメッセージに見えて最後まで不気味さが残り続けた。