信じ難い実話の面白さがあります。彼らの勇気は称賛されるべきだと思うし、アメリカ国民が味わった苦痛は筆舌に尽くし難いものです。
12人対5万人の、まるで西部劇かのような"復讐劇"は、派手なアクションと家族の絆を描くドラマが感動を呼ぶ、一大エンターテインメントに仕上がっていると思います。
ただ、マッチョなアメリカの理想像的なクリヘムを主役に据え、蛮行と家族愛の対比によって大義名分を振りかざし、堂々たる復讐で溜飲を下げようとする作りはあまりに露骨で、皮肉にさえ映ります。
彼らの愛国心を否定するつもりはありません。しかし、この武勇伝の向こう側には無数の屍が転がっていることは心に留めるべきだし、例え何千何万の命を救う行為であったとしても、それにより亡くなった1人の命の重さは変わらないことは常に忘れないようにしたいと思います。
