リッキー

ホース・ソルジャーのリッキーのレビュー・感想・評価

ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)
3.5
932本目。190121
この作品は9.11のテロ直後,CIAとアメリカ陸軍によって,極秘でアフガニスタンに送り込まれた12人のグリーンベレー達の実話です。

全滅するかもしれないと予測されたこの作戦で,1人の犠牲者を出すこともなく生還できたことが奇跡的です。生々しいシーンも少ないので,普段戦争映画は敬遠している方にもこの作品ならば受け入れられるのではないでしょうか。「ランボー」のようなアクション映画の印象です。

道が整備されていない砂漠や山岳を進むには馬が必須です。私は動物の中でも馬が大好きで,若いころ中山競馬場のパドックで競走馬をじっと観察していたことを思い出しました。鍛えられた馬は彫刻のように美しく見惚れてしまいます。
作品中にも黄昏時に12人の精鋭が乗馬している姿は美しく,感動しました。

白兵戦では馬を巧みに操れば戦況は大きく変わります。史実でもモンゴル帝国が中国全土から中東、ヨーロッパの一部まで侵略できたのは、やはり騎馬隊の活躍が多大であったことがうなずけます。特に終盤の騎馬隊による突撃シーンはワクワクし,馬上戦もあったことから,西部劇を観ているような感覚となりました。一方で,メインの攻撃は圧倒的な制空権を握る米軍の空爆がであることが,まさに近代戦争の様相を呈しているという,とても新鮮な作風は新たな戦争映画といっても過言ではありません。

タリバンは2年間近くは持ちこたえるとしていたところ,あっという間に占拠されてしまい,史上最悪の敗戦と語っているそうです。9.11以降,アメリカ国民が不安に日々を送っていたところに,この英雄たちの活躍ぶりが報道されていたら,国民にどれだけ勇気づけられたことか計り知れませんね。
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