いつまちゃん

カメラを止めるな!のいつまちゃんのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
5.0
「配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどういう意味であれ」。
これはかの哲学ビーグルこと
スヌーピーの名言で、私が1番好きな言葉。
この映画はまさにそんな映画。

広告費もろくにない
たった300万の予算で1本の映画を作らなきゃ行けなかった制作陣も、
この映画の中の主人公たちも、
不景気で運の回ってこない観客の私達にとっても。

配られたカード(何かと制限された万全とは程遠い状況)のなかで
それでも諦めずにそれぞれが
最高の仕事をしよう!と藻掻くパッション。
この世界で人間が起こす美しい奇跡の中の1つによってこの映画は作られて、
映画の中にも描かれてる。

クリエイターを中心にクチコミで広まったのも納得の情熱的な映画だった。
監督は自分の家のiMacでこの映画を編集したらしい。
それもまた夢があって素敵だ。
全ての情熱が報われるわけではないけど
情熱が報われる瞬間は本当に美しい。

チャンスはやっぱり「持ってる側」の人に巡って来やすいけど、諦めずにもがいて、自分たちが思う最高を作り続けていれば
それはついてない私達にも回ってくる。
当時お金なくて会社員続けながら連載を続けていた苦しい渦中の私にとって
この映画はそんな希望のエールだった。