このレビューはネタバレを含みます
膝を叩き、身体を捩り、大声を出して笑った。※訂正↓
膝の皿を叩き割り、身体を引きちぎり、心臓を吐き出しながら大声で笑った。人生で最も楽しく映画を観ることができた。ふいに衝撃的な、そして"歴史的な"傑作。
「二度見る」ことの真というか、そこのおもしろさの追求も素晴らしいけど、何よりもそのために最初の30分を(語弊がないならば)「棄てた」ことの衝撃。時間芸術として(あるいはメディアとして)通常あってはならない、「何の話か分からない」を目的のために貫いたところからすごい。だから通常はそうそう起こらない、"つまらない"から始まる。そしてそれを上塗りして、いや下から引っ張り出して、至上の「ワクワク」を作り出す。本当にエンターテインメントだ。
監督役が急にスイッチ入る感じとか、もう勢いだろみたいな"感じ"、なんだか懐かしいなあ(デモ演みたい)。とか、監督役が監督役を演じることによる監督の不在感(自分でも何言ってるか分からん)、でも最後にぽろっと語っちゃう(GoPro映像で二度目のにやり)、とか。んでもやっぱり一番嬉しいのは、映画は「ゾンビ」、あらゆる意味で"死"と化した日本映画を甦らそうという情熱、その立ち上がりのエネルギーだろうな。日本映画には歴史があり、それが歴史だけであり続けることは死だったけれど、これはもうはっきりとあの(知らないけどさ、)泥臭い日本映画の時代が再びいや新たに始まろうとしていると言っても、いいんじゃないかと思います。ここまではっきりと、「カメラを止めるな！」って、本当その通りだね。気の抜けたI want you backのにせもんみたいな曲さえもさ。
