つかれぐま

カメラを止めるな!のつかれぐまのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.0
18.8.14 TOHO新宿#9

<一体感>

"ONE CUT OF THE DEAD"という「映画内映画」に飛び込んで一体となった日暮の妻と娘。同じように我々観客も「カメラを止めるな」という映画への一体感を疑似体験する。

止む無い事情で、監督→出演者という壁越えをした日暮。そこで本音を発露させた彼の姿に突き動かされるように、日暮妻は見学者→出演者、日暮娘は見学者→監督代行?へと壁越えをして映画に飛び込む。その動機は当初は「映画への愛」だったかもしれないが、結果的にそれが「家族愛」へと変容していくのが面白かった。

多くの人が本作の感想に「一体感」という言葉を使うのは、"ONE CUT・・”の見学者が作品に一体化したように、「カメ止め」の観客である我々もまた作品に一体化したような、良い意味での錯覚(つまり夢)を提供してくれる構造の成果だと思う。