きよぼん

カメラを止めるな!のきよぼんのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.4
映画ファンを、間違いなく熱くさせる映画。

クライマックスでやりとりされる台詞と、登場人物たちがみせる意地。作り手も観客も、そこにはどちらもが、「きっとそうだ」!と信じたい熱い想いがあり、涙が出そうになりました。ウソです。泣きました。

映画とは、カメラという視点を通して作品の「内」の世界を覗く行為です。しかし、カメラには映らない「外」の世界も存在しています。

この映画は、「内」と「外」を巧みに重ね、「映るもの」と「映らないもの」を観客に示すことで、「内」の世界の劇中の人物と、「外」にいるはずの観客をつなぎ、一体感をつくりだすのが、とてもうまくできてます。いや、「うまい」というよりは作り手と演者の熱量に、引きずり込まれるといったほうがいいかもしれません。

作品は、そのものだけで評価されるべきと言う意見がある一方で、映画ファンは「外」の世界にもドラマをみてしまうものです。華やかで夢があるのは「内」だけでなく、自分の大好きな映画の「外」もかっこよくあって欲しい。実際は現実は厳しくて「大人の世界」はカッコ悪いこと、やってもうまくいかないこと、たくさんあります。でも少なくとも、自分が好きな世界で、カッコイイことを、やれる範囲だけでもやっていて欲しい。

そんな夢を信じさせてくれる映画です。だからこそここまで映画ファンが熱く熱くイチオシしているのでしょう。

自分もこの作品はイチオシ。映画が好きなら観て損はないです。

(あとコメント欄でネタバレで一言だけ)
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