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カメラを止めるな!のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.5

映画愛🎬

ストーリーは37分間に渡るゾンビと人間の戦いをワンシーン・ワンカットで描いた作品でした。ここ最近で一番笑いました。ゾンビ映画の歴史を新たに塗り替えた作品です。演出の仕方が神っています。映画好きが映画を撮るとこんなに面白いのかというのを目の当たりにしました。

いきなり始まる30分長回しのゾンビ映画を見ていくと、所々「ん?」という箇所が気になり、ジワジワとこれは何かあるぞ?と思わせるような展開になっていきます。やがてその疑問が「フフッ」と声に出るほどの笑いに変わっていく、、斬新すぎる。今までに出会ったことのない作品です。そして後半描かれていくその疑問の答えによって、より大きな笑いへと発展し、最後にはなるほど~と、マジかよ!と、ハートウォーミングな結末へと流れていき、最高に楽しい作品となっていることに気付くのです。

面白い映画の概念を覆した作品。普段私たちがシネコンなどで見る商業映画とは違い、無名の監督と役者が低予算で作ってしまっている素晴らしさ。知ってる役者が誰一人いない=先入観がないということであり、誰がどんな役回りをするかなどどういう演技をするとか事前情報もない為、邪念がない状態で楽しめるということも大きな利点になってます!!たしかにお金をかけた分だけ、高い機材や豪華な役者を出演させることができます。だからと言って大ヒットするとは限りません!!やり方次第でこれだけ手あかのついた作品をこんなにも面白くできる監督の渾身のアイディアに脱帽すること間違いなしです。

今作は単なるコメディ映画ではなく"映画愛”と“仕事愛”が非常に強いです。かつて自分が夢見たような作品が作れない、名作には程遠くてもなんとか作り続けるしかない、理想だけでは生きていけません。これは映画に限らず、物を作る仕事、いや、全ての仕事をしている人間なら誰もが共有している悩みや苦しみではないでしょうか。それでもがむしゃらにやってれば光明はある、どんな地味な作品や完成度の良くない作品でも一生懸命作っている人たちがいる!こんなに勇気をもらえたメッセージは、他の作品では、滅多にお目にかかれません。また本作はキャスト、スタッフ全員一丸になっているだけでなく、主要人物全員が本編を通して成長しているのが素晴らしいです。ある人は自分を苦しめていた弱点と向き合い、ある人はできなかったことができるようになり、ある人は昔の情熱を取り戻し、ある人は新しい価値観に出会う。98分という作品で多少くだらない形とはいえ、何人もの人の成長を描けてる映画はなかな巡り会えないはずです。そのような作品を無名だったキャストとスタッフが作り上げて、世界中で絶賛されているという事実も、見る者にグッときますね!
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