こたつむり

カメラを止めるな!のこたつむりのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
3.7
★ 「ホンモノをくれよ!」

『万引き家族』と並んで今年話題の邦画。
拡大公開の波に乗るように観てきました…が。

残念なことに期待し過ぎたのは否めず。
本作は「年棒480万円の2軍選手が、バリバリのメジャーリーガー相手に5回無失点で試合を作ってしまった」ことが話題になっているわけで、けっして完全試合を達成したのではない…ことは再認識しておくべきでした。

勿論、これは快挙ですよ。
しかも、本作の場合“現実における前提条件”を作品内に取り込んでいますからね。称賛ばかりが目立つのも当然だと思います…が、映画の面白さは予算の多寡で決まるわけではない…というのも当然の話。

だから、既に本作が評価された現状においては、各方面から聴こえてくる賛辞はノイズに過ぎず「製作費約300万円の格安ゾンビ映画」だけを念頭に、劇場へ足を運ぶのが正解だったのでしょう。

また、劇場で鑑賞する…というのもポイント。
ビデオや地上波放送では本作の“良さ”を万全に引き出せません。

それは、多くの人と一緒に観る一体感。
僕が鑑賞したときには、近くに小学生女子が座っていたのですけれども「きゃあ」とか「えーっ」とかの声が頻繁に上がり、とても新鮮な気持ちになりましたよ。

また、劇場全体が『ドリフ大爆笑』と同じ雰囲気に満ちた瞬間もありましたね。なるほど。あの笑い声は…こうして作られるのだなあ。

そして、何よりも本作で重要なのは。
物語の途中で“逃げ出さないこと”。
集中できる環境、また容易に席を立てない状況。そんな中で鑑賞したほうが良いと思います。

まあ、そんなわけで。
軽薄な響きではありますが、本作に限って言えば「流行に乗る」のが吉。是非とも、巷に流布する「ネタバレ厳禁」のフレーズを脳裏から消して臨んでください。

あと、最後に。
個人的に低予算の作品で最も気になるポイント。それは、配役でも演技でも特殊技術でもなく、ミキシングやマスタリング。正直なところ、もう少し磨いてほしかったのですが、予算がないということは時間がない…と同義なのですね。難しいなあ。