シュウ

カメラを止めるな!のシュウのネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

本当に何も知らずに見られたらきっと面白かったろうにという映画。
2段の3幕構成とか映画撮影の話という情報ですら、知らなきゃよかったと思った。

山奥の廃墟となった水道局でゾンビとなった青年(長屋 和彰)に涙ながらに刃を向ける女性(秋山 ゆずき)、そしてそれを取り囲む撮影クルーたち。
彼らはこの廃墟でとあるゾンビ映画の撮影をしている。
しかし監督(濱津 隆之)のリアリティを突き詰めるこだわりのあまり、現在のシーンだけでもう42テイク目。
キャストも撮影スタッフも完全に疲れ切っていた。
一旦休憩を取ることになり談笑していたが、なんとそこに本物のゾンビが現れる!
撮影クルーたちはもう撮影どころじゃないと逃げ惑うが、監督はこの本物のリアクションが欲しかったと、カメラを回し続ける。
何を隠そう、ゾンビを招き寄せたのは監督自身、どんどんと感染者は拡大していく中、彼女たちは逃げ続ける。

前半は1カットのゾンビ映画、後半からはそれを撮るに至った理由、そして撮っている最中のごたごた、いわゆる種明かしパートの3幕構成。
まずとにかくアイデアが面白いし、伏線を張ってそれを回収しきるまでを96分でしっかりとまとめ上げるテンポの良さと分かりやすさはよく出来てると思う。
そしてこれが全くの無名のキャストたちと低予算で作られた、シンデレラみたいな道筋を辿っていることも、この映画に箔をつけている理由の1つだろう。
色々とやいのやいのと言われる邦画業界で、こういう映画が作られて、しっかりと評価されて、ちゃんと売れるというのは間違いなく喜ばしいニュース。

でもやっぱり自分が観た上での率直な感想は、確かに面白いとは言え過大評価が目立つなと思った。
別に演技力とか求めてないし、どんな話であっと言わせてくれるのかと楽しみにしていたけど、最初の1幕目で大体こんなことが起こってんのかな~とか考えながら観てたら、本当にそれだけでもう驚きとか全然無い。
自分の中で決まってるゴールに向かって特別な捻りもなく話が進んでいくだけだから、答え合わせまでは退屈で仕方ないし。
こればっかりは分かりやすくするための弊害なのかもしれないけど、もう少し色々とこんがらがったって良いんじゃないか。
ここで生放送の途中で、娘に感化された監督が耐え切れずにプロデューサーにブチ切れて撮りたいものを撮るんや!みたいな話になれば熱い展開やなとか思ったりもしたけど、そこら辺のドラマもオーソドックスで惹きつけられなかった。
もしかしたらあまりに評判になりすぎて、基本的に観てない映画の情報は本当に触り程度にしている自分ですら知りすぎてたのかも。
それか映画業界の話だし、映画業界に身を置いてたのならリアリティを感じて楽しかったのかも。
何にせよ、普段邦画を観てない自分ですら、これより面白い邦画なんてもっとたくさんあるだろうにと思ってしまったし、やっぱり口コミとか広告宣伝ってのはバカにならないなって思った。

挙句、盗作疑惑?原作者からの許可?とか色々ときな臭い話も絶えないわけで、監督もキャストも次にどんな映画を撮るか・出るかで才能や実力の有無とか評価とか諸々が決まりそう。