ハリボ

カメラを止めるな!のハリボのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
3.8
ナニコレ!【2020年15本目】ダサかっけえ!

みんなが"作品"を作りたがる。
だから面白いんだ、映画。

俳優一人一人のキャラの強さとあらゆるシチュエーションが生むカオスの化学反応。
ただのコメディだと思って楽しむことは十分。
それ以上に、僕はこの映画が映画好きの人たちが作り上げた愛のある作品だと思いました。

映画を製作する上で、何が必要か。
僕は映画を作ったことはないので、何となく最低限のものとしては、カメラ、脚本、俳優なのかなあと思います。
カメラはスマホを持っていれば撮れますよね、最近のは高性能だし。
脚本はペンと紙があれば書けて、演じる人に見て貰えばいいですよね。
俳優は仲のいい友達を集めて、登場人物を当てはめれば完成です。
これで最低限の映画は作れるはず。

この最低限で作られた映画は見る側としては、映画とは思えない。
なぜなら、あらゆるところでお金が発生していないから。
スマホでみんなが撮れるような映像はプロの撮った映像じゃない。
脚本がぐだぐだすぎる、プロに任せなきゃだめなんじゃないの?
有名な人が誰も出てない、何だこの同好会のノリ。
ツッコミどころは無限にあるわけです。

大ヒットを記録するようなビッグバジェットものの予告では、お金の数字って結構使い古されてますよね、
"総制作費〇〇億円!!!"
みたいな。

でも、映画ってそういうわけじゃないんだよなあ。と言えるのがこの作品のヒットの秘訣なんじゃないでしょうか。
低予算で作られた、コメディと言われればそれまでですが、この映画に登場するキャラクター達は立場と意思は違えど、映画をより良くするために試行錯誤を繰り返して空回りしている、不器用な愛が溢れていると思います。
最後のカットが響き渡った後の皆さんの表情。あれは、"本物"なんじゃないかなあとそう思いました。

正直にいうと、メディアやまわりが言うほどの大傑作では無いと思うし、この爆発的ヒットは色んな要素がうまくいった運的なものが大きいんじゃないかとも思います。
でも、こういう愛のある映画が色んな人に見られることに意味があると思うし、アカデミー発表で日本映画に物議を醸している現状では、今の日本映画の体制とは真逆のこの映画が評価されていることにもう少し日本の映画業界が気づけるといいのかなと思います。

俳優のブランディング、
流行を作るビジネス、
それを動かすお金、
だけじゃ"作品"は"映画"は作れないんだよなあ。