回想シーンでご飯3杯いける

壊れた魂の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

壊れた魂(2013年製作の映画)
3.8
日本未公開作品。インドにはこんな凄い作品が、他にもまだまだあるのだろう。

車に乗せたままの10歳の少女が、父親が目を離した隙に行方不明になってしまう。誘拐なのか事故なのか? 父親が捜査を依頼しても、なかなか協力的にならず職務を怠ろうとする警察官。この時点では、警察の堕落を描く作品なのかと思ったのだが、話が進むにつれ、事件の裏側にある複雑な人間模様が見え隠れし、当初とは全く違う話へと変貌していく。登場人物が皆怪しく見えてきて、例の警察官などは、ある意味めちゃくちゃ頭が切れる奴じゃないか。

後半に進むにつれ、本作が提示しようとしていたのは犯人探しとは違う別の問題にあった事が分かってくる。大人の醜さと、他のインド映画でも度々登場する子供の誘拐と人身売買。

何だか最近は「バーフバリ」みたいなド派手な作品がインド映画の代表みたいになっているけど、本作のようなダークな作品にも良作が多いので、日本での公開が増える事を祈るばかり。