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ゴーギャン タヒチ、楽園への旅のKUBOのレビュー・感想・評価

3.0
劇場公開時に見逃した作品をレンタルで追っかけるシリーズ10本目は、ちょっとアート系で「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」。

その昔、タヒチに行ったことがある。もう30年以上前にはなるが、その美しい海はまさに天国のような美しさだった。

ゴーギャンとの出会いは、マイケル・フランクスの名盤「愛のオブジェ」のジャケットに使われていた「二人のタヒチ女」。ジャケットでは現地の女性が胸もあらわにこちらを向いているが、実際のタヒチでは現地の方は皆ちゃんとパレオをまとっており、フランス女性が皆トップレスでビーチを闊歩していて目のやり場に困ったのを覚えている。

物語は、昨年公開された「ゴッホ〜最期の手紙」に描かれたゴッホの死から2年後の世界。ゴーギャンはゴッホの元を去った後、ひとりタヒチへ向かう。

「楽園への旅」とか副題をつけている割には、タヒチを「楽園」然とは描いていない。

まず、フランスからタヒチまでの旅を描かない。当時だから大変な旅だったはずなんだが、「船でタヒチが見えた時」のような、美しさを強調したシーンも、喜ぶゴーギャンの顔もない。いきなりタヒチに「いる」っていうのは、どうなのよ? 制作費の問題?

パペーテ、懐かしいな〜。

画家の映画を見る度に思うが、皆、壮絶でわがままで変人!

うわぁ、かぶりつきマンゴー! 私も宮古島でやってるけど、これは贅沢かつ美味! この前100円で買ったからね、マンゴー。

またゴーギャンの絵から抜け出してきたみたいなポリネシアン美人をよくぞ見つけてきた! そっくりだ!

やっと海が出てきたよ。でも普通に撮るだけで楽園なのに、なんでこういう光の時を選んで撮るかな〜? タヒチだって言うのに、この監督きれいな海を見せる気ないな〜。

「メランコリー」「イア・オラナ・マリア」「一人で」などを書いているシーンが織り込まれる。

特に「死霊が見ている」を描くシーンは「それでそんなタイトルなの」とわかって興味深い。

ゴーギャンが初めてタヒチに渡った、いわゆる「タヒチ 第1期」を描いた本作。現地妻であり数々の名作のモデルとなった女性テフラとの夫婦生活を軸に語られるが、ゴッホほど事件はないしエンタメではない。

エンドロールに作品内にも登場するカラフルで力強い名画が流れるが、本編にはその「色」が感じられない。もう少しでも、ゴーギャンが憧れたタヒチの美しさが、画面から感じられたら、また違った印象になったろうな。
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