ヒロシー

ファントム・スレッドのヒロシーのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.5
ポール・トーマス・アンダーソン初体験。劇場でたっぷり味わってきました。純文学映画監督と言われるだけあって非常に繊細で、曖昧で、そして美しい。レイノルズがアルマに初めてドレスを着せていく諸所の動作をも美しく撮る。光の暗明も極まっているが、こちらは熟考の末というより天性のセンスか? そしてこの曖昧かつ静かな美の環境で、男と女は愛し、愛され、退廃していく。これを観終わって「女って怖ぇ…」なんて単純な感想しか出てこなかったらもう一度映画館へ向かうべき、とポール・トーマス・アンダーソンは告げているかのような挑戦的な映画とも思える。ジョニー・グリーンウッドも最高に耽美な音楽を聞かせてくれました。かくいう俺もただただ圧倒されるばかりでした。一体誰が「ファントム」なんでしょうねぇ、と思って俺は自分の足元を確認しました。

追記
これ…「創作人生の終わり」≠「生命の終わり」を提示しているし、レイノルズはパートナーに美しさしか見出さないし…ほとんど『風立ちぬ』じゃね?