ピッコロ

ファントム・スレッドのピッコロのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.0
何かに取り憑かれた男と女。

P・T・アンダーソン監督のマグノリアが大好きでオールタイムベストにあげている。
(自分のオールタイムベストはちょこちょこ変わるが・・・。)
そして、アカデミー賞主演男優賞を3回受賞しているただ一人の俳優ダニエル・デイ=ルイスの引退作としても話題となっている。
受賞作の一つが同監督のゼア・ウィル・ビー・ブラッドである。
そんな、最強タッグが組んだ最新作となる。

近年の監督作は難解すぎてついていけないため、今作も少し不安でした。
最近の作品の中では、そんなに難解ではありませんでしたが難しい。

とても、音楽が美しい映画。
ピアノの旋律がずっと鳴り響き心地いい。やはり映画に音楽は欠かせない存在である。寝る前に聞いたらグッスリできるだろうな。

本作のテーマは愛。
前半はダニエル・デイ=ルイス演じるレイノルズの愛。
ドレスに対する異常な愛情が描かれている。規則正しい性格で、少しの音にも敏感で自分の中のルールに従い生きている男。
なので少しでも、それを乱されると・・・。
何かに秀でてる人は、やはり変わった人物なのだろうか。
レイノルズは仕事という怪物に取り憑かれてしまったのだろう。

後半は、レイノルズと恋愛関係になる女性アルマの愛情が描かれている。
アルマを演じたヴィッキー・クリープスさんはこの映画で初めて知りましたが、凄い存在感でした。あんたが一番狂気だ。
普通の女性だったアルマがどんどん狂気に変貌していく様は観ていて楽しかった。アルマは愛という怪物に取り憑かれてしまったのだろう。

この映画で描いてるのは究極の愛、または異常な愛、狂気の愛だ。
愛は盲目にするとはよく言ったもので、何か見えない力が働き普段とは違う行動に出てしまう。相手が好きになる程、それはやっかいで、もう後戻りは出来ないところまで来てしまう。

二人の愛のカタチ、気持ちは分からなくはないが理解は出来ない。
理解できないのは自分が凡人だからである。