ジャッキーケン

ファントム・スレッドのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.2
上流階級が好きそうな映画監督ポールトーマスアンダーソン(どんな偏見だよ)最新作でありダニエルデイルイスの引退作になるかもしれないイカれた愛の形を描いた作品

何から何まで芸術的
ダニエルデイルイス扮するウッドコック氏は一流のドレス仕立て屋であるから映画に登場するドレスはもちろんのこと、インテリア、音楽、食べ物まで全てが上流階級が好みそうな物ばかりどこの場面を切り取って写真にしても絵になる
映像面で言えば「フロリダプロジェクト」と同じ枠に収まる作品で違うのは貧富の差ぐらいだな

ウッドコック氏とウェイターから金持ちの恋人となったアルマの年の差カップル
性格が対照的な二人は最初はうまく行ってるが映画が進むにつれて普通の恋愛からは程遠い見たことのない禁断の愛というか倫理的におかしい愛に走っていく
例えるなら「ビッグバンセオリー」のシェルドンとペニーが付き合ってる感じ
ダニエルデイルイスは内向的で計画通りにいかないとブチ切れる典型的シェルドンクーパーで対照的なアルマは若者って感じで朝の食卓でのかんにさわるバター塗りは上品なBGMからかんにさわる用の環境音でダニエルデイルイスの気持ちを観客にも分かるようにしている
BGMと環境音の使い分けが展開のテンションを分かりやすくしてくれる

イカれた愛の形へと突っ走る展開は俺から見たらドン引きだった
ダニエルデイルイスの苦しみで愛を獲得していくサイコパスな求愛
ダニエルデイルイスの病的な生活サイクルが後々愛を示すための伏線になっていて上品な金持ちシンデレラストーリーから一転して毒キノコやばい映画に変貌する
単純なラブストーリーではないPTA映画らしさ、「パンチドランクラブ」も不思議な映画だったな

本作で俳優引退するかもしれないダニエルデイルイス。正直この映画の役柄で引退してしまうのは悲しい
「ギャングオブニューヨーク」の怪演にまでは行き届いてない
アルマを演じたヴィッキークリープスがヤバすぎた

ぶっちゃけ映画の評価とは裏腹にPTA映画はウッドコック氏並みに気難しい映画だと身構えていたけど意外と分かりやすいし西洋美術の美しさに目を奪われる
サイコパス展開もボンクラにも受ける要素だと思います
これが実話だとしたらこれこそ究極のSMなのではと思いました
愛の形は無限大だけどこれは異端だろ〜
ひたすら美しさを追求したPTA映画