サラリーマン岡崎

ファントム・スレッドのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.3
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』がかなり好きで、その監督×主演の作品ときたら見ないはずがない。

ただ、オートクチュールがテーマとはポール・トーマス・アンダーソンっぽくないなと思った。
けど、見たらもうこりゃポール色だった。

ポールの作品の主人公は大体ヤンデレ。
自信はかなりもっているけど、
少し折れたらもう暴走。
この映画の主人公・ウッドコックもやはりヤンデレ兼マザコン。
そのヤンデレ感を表すのにオートクチュールはとてもお似合いだった。

オートクチュールとはオーダーメイドの一等品をつくる衣料品店のことで、
なので、この作品でもわかるようにデザイナーが権力を握っている。
しかも、女性を美しくするためのものを作ってるから、
男のデザイナーとしては、鼻が高い。
そして、服は物理的にも心理的にも女性を縛り付けるもこであるから、
そういう点でもヤンデレデザイナーにとってはムラムラするのだろう。

物語はそのヤンデレの支配ぶりが主に占めるが、
その後に起こる急展開がなんともポールっぽいし『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』とかなり重なる。
何故、僕が『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』が好きなのかというと、
ヤンデレの主人公を貶めるのが宗教という普通の作品では思いつかないものであったから。
今回もまさかアレがその役目を果たすとはね…。

そして、その貶めもヤンデレには愛と感じるまたもやヤンデレぶりには、
理解はできないけど、かなり面白い。

もう、ポールとダニエルのヤンデレ作品が見れないのは悲しい。