冒頭からとても美しい。
美術、所作、音楽、衣装、カメラワーク、ライティング、隅々までいきとどいた幕開けから15分ほどの流れは、そこまで女性のドレスに興味のない私でもこの映画観て良かったと思わせる至福の時間でありました。
1950年代のドレスメーカーの話なだけにそのあたり、とくに美術面は尋常ならざる労力をかけて再現しているのが伺えます。
室内楽を思わせる音楽も、しばしば前に出すぎるのは気になりましたがとてもこの画に合っていてとてもエレガント。
その逆に、この男女の関係の陥る問題はある意味ものすごく普遍的。言い換えればありきたりで『年の差恋愛あるある」だったり『結婚生活あるある」であるように思えてしかたなかったです。
それにしてもラストまで行き着くとこまで行ってしまうところがさすがP.T.アンダーソン.監督なのですが。
女優さんがとてもハマってました。素朴で健康そうで普通の人っぽい。だからこその後半の行為がなかなかのギャップで、とても印象深かったです。
音楽誰かと思ってたらレディオヘッドのジョニーグリーンウッド。
ロック出身とは思えない美しさ。特に音色がデリケートで素晴らしかった。
