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ファントム・スレッドのUSKのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.4
最後にして新境地に達したダニエルデイ=ルイスの演技。本作の鑑賞前に『ゼアウィルビーブラッド』『リンカーン』を再度鑑賞しましたがどの役も唯一無二で一人の人間が演技をしている様には思えない。本作では靴職人なだけあり、採寸からイメージ、作製までアーティスティックな印象を強く抱かせられる。一作品一作品慎重に選び次回作までの時間がかかる分には彼のファンとして我慢できるが引退はショックで仕方ない。

そんなダニエルの引退作を背負う相棒は完璧主義者ポールトーマスアンダーソン監督。彼もまた本作で新たな境地を開拓し、行き場のない欲望に塗れた不潔な人間を描いた過去作品とは裏腹に高貴で美しさの頂点を求めた作品となっていた。また彼の特技とも言える心理描写は美しさの中で新たな魅力を引き出している。
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