P.T.アンダーソンは王室の無いアメリカの監督だなぁと感じました。なんというかアメリカ人のイメージした王侯貴族ぽさに違和感があるのです。
しかしその違和感こそがP.T.アンダーソンの世界なのかもしれません。オートクチュールの仕立て屋とか、ある意味変人でないと勤まらない、その変人さと、そんな彼を全力でサポートする姉とメゾンのスタッフたち。完璧故に変化を求めないストイックなスタイルは少し気味が悪くも見えます。ある意味P.T.アンダーソンのお家芸でもありますが、違和感をきちんと表現しています。
その違和感の主は姉役のレスリー・マンヴィル女史の存在が大きいかもしれません。素晴らしい演技であり、素晴らしい女優だと思いました。
そんな一見高貴ながらも一癖もニ癖もあるメゾンに不思議ちゃん（いや、実際普通の女性なんだけど、メゾンや姉弟を理解してだいぶ不思議な行動をとりだすのだけど…）が同居するんですから、そりゃ色々ありますわ。
しかし洗練された映画でした。
かなり良く出来ています。
オートクチュールなんて全く興味無い自分でもかなり楽しめました。
かなりオススメです
