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ファントム・スレッドのsaetaのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
3.5
バーガンディーのホーズを履いて着替えるデイ=ルイスのオープニングから別荘へ向かう際に着用しているツィードジャケット、50年代のロンドンの雰囲気やオートクチュールシーン、はたまた結婚式のシーンで、デイ=ルイスも顧客に名を連ねるロンドンのビスポークシューメーカーのジョージ・クレバリーのCEOジョージ・グラスゴー氏が映っていたのにはたまげた!などなど、衣装や美術など見どころは色々あったし、デイ=ルイスが女性を口説く目線など、レナ・オリンやジュリエット・ビノシュと共演した「存在の耐えられない軽さ」でのトマーシュを想起してニヤリとした。
しかし、老境に差し掛かった天才デザイナーが新たなミューズを得て、さらにクリエイトして行くのかと思って観ていたが、最後は凡百な恋愛映画に収まってしまったのがとても残念だ。
この監督、前回の「インヒアレント・ヴァイス」は悪く無かったが、それ以前に3本ぐらい30分ぐらいで放り出している事もあるので、やはり基本的に合わないんだろうな。
デイ=ルイスもこの駄作を最後に役者を引退と伝えられているが、今一度撤回し、傑作映画に出て欲しいが。
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