「1922」に投稿された感想・評価

『人生はいつだって不公平よ ここでは特にね』

『いいか──手に入れるためには奪うしかない 人生にはそういう時だってあるんだ』


『神がこの世で善き行いに報いてくれるように──悪魔も邪悪な行いに報いてくれるのか…』


■ あらすじ ■
1922年、ネブラスカ州。ウィルフレッド(トーマス・ジェーン)は、妻アルフレットと息子ヘンリーの3人で暮らしていた。100エーカーもある田舎の広大な土地で農業を営んでいたが、その土地はアルフレットが父から相続したもので、彼女は都会志向があり土地を売却してオマハへ行きたいと話す。しかしウィルフレッドは拒絶、ヘンリーも恋仲であるシャノンと引き離されるのを嫌がり、母親とは完全対立の状態に。しかし売却の話はどんどん進んでゆき、ウィルフレッドは恐ろしい計画を実行に移す…


■ 感想 ■
『1922』

スティーヴン・キングの中編が原作で、日本では劇場未公開、Netflix配信。最近では『ジェラルドのゲーム』もありましたね。スティーヴン・キング、いったいどれだけ小説あるんや……そして映画化されまくり。まぁ、題材として魅力的なものが多いんでしょうね。

主演はあの有名なミステリー映画『ミスト』で父親役として主演を務めたトーマス・ジェーンでした。最初肌の色も黒かったしすごいワイルドな感じだったので分からなかったよ。でも何となく顔に覚えがあって、見てみたら彼でした。同じ父親役でも、こっちはかなりやらかしてますね。あ、いや、あっちでもある意味ではやらかしてたのか……(笑)

1時間半強の映画ですが、雰囲気は常に暗いです。BGMもほぼナシ、たまーにストリングスのシンプル且つ不気味な旋律がちょっと流れるだけ。終始静かで淡々としてる。流れとして、主人公のウィルフレッドが、自分の罪を書面におこして告白するっていうものなので、彼が語り手となり回想されていくかたちで物語が進んでいきます。その語り手もちょこちょこ挟んでくる程度でかなり分かりやすく見易い。こういう語り手のいるタイプの映画は嫌いじゃない。

この作品が言いたいことは非常に明確で一貫してる。つまるところ、【因果応報】【やってしまったことは自分に返ってくる】【殺人を犯した者は地獄に落ちる】そんなところですわ。悪いことして誰にも咎められず逃げようだなんて、そんなの神様が許さないよーって。ラストシーンがそれの全てを物語っていますね。そしてそれがとても恐ろしかった。

ホラーではなくヒューマンだと思うんだけど、結構グロテスクな描写があるのでホラーチックではある。そして今作ではネズミが象徴的なものとして大量に出てくるので、苦手な人はちょっと注意。普段ネズミなんて全然見ないけど、こんなに大量発生してるの見たらふつーに失神しそうだわ……。何が悪いって、壁どころか人間すら食べちゃうところね。悪食すぎる。なんでも齧るもんな。

あとこの時代だったから成り立った計画だよね。今だったら刑事捜査で多分即バレすると思うの。まぁ単に今回の捜査官がちょっとぬるすぎるのもあったかもしれんけど。笑

うーん、人間、悪いことしちゃいけないよねぇ、やっぱり。しみじみ。
ようこ

ようこの感想・評価

3.8
じっとり怖い。
なんか途中からホラー色が強くなって怖いやら悲しいやらだった
息子ぉ、、、
レク

レクの感想・評価

3.0
スティーヴン・キング原作。

日記を綴りながら追憶する後悔と憂惧。
何かを得るために何かを奪うしか方法がない場合もある。
そんな状況下に乗じるように顔を覗かせる、人間の心の中に存在するもう一人の悪しき自分。
価値観の不一致から生まれる殺意。
犯した罪と不穏な空気が徐々に心を蝕み、じわじわと家族を破滅へと誘っていく。

この作品で印象的な動物ネズミ。
ネズミはユダヤ教において不浄な生き物であり、ヨーロッパでも不吉な象徴です。
また、繁殖能力が高いことから「ねずみ算」や「ネズミ講」など連鎖的に数が増えることの比喩として使われるが、今作におけるネズミも同様に犯した罪によって齎された不吉な負の連鎖の象徴と考えられる。

さほど派手さもなく退屈に感じる方もおられるかもしれませんが、心理的恐怖心が可視化されたような演出やその恐怖心に苛まれていく演技はなかなかのものでした。
語り調の映画って落ち着いてみれるから好き。とくに語り手の声が良いと。
ちなみに今回は日本語吹き替えで見ましたが、バッチリでした。
なかなかグロいシーンもあり、ホラーとしては弱いものの夜中に黙って鑑賞するのにはちょうど良い内容。
いいだ

いいだの感想・評価

3.4
最初は心地悪くはないがぬるま湯に浸っているような感覚。徐々にスティーブンキングらしい、人有らざるものによる現象が発生し出すと、そこからのストーリー展開は早いものだなと感じた。

正直、さほど良くはない結末の後味。
懺悔をするまでたんと苦しめばいい。
因果応報。
最後には全部自分に返ってくるんだから、と言わんばかりの圧力が重くのしかかってくる。
異色ホラーといってもいいのかな。良作かと思います。
こういうホラーが好き。

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレサイトを見に行ったら「少女の父親も「妻は居なくなった」と嘆き、その前に排水溝で身元不明の女の死体が見つかった。これは少女の父も自分の妻を殺したのではないか?」と書いていて「従順な妻を持った隣人は幸せ者だな」と羨んでいた主人公に対する皮肉が凄いと思った。

人生「あの時こうしていたら」という後悔は常につきまとっていてたとえ土地を売って一家で都会に出たとしてもやっぱり後悔していただろうし(殺人は犯さないにしても)なんとも皮肉な話。
父親が守ろうとしていた息子もアレだけ母親に「中には入れるじゃないよwww」と忠告されていたんだから、妊娠さすなよ。
あげくには「親父が悪い。母さんだったら理解してくれてた」とか甘えたこと言ってるし。
多分、君の母ちゃんは生きていても応援してくれなかったと思うぞ。
彼女を養育園に叩き込む金は捻出しただろうけど。

登場人物、全員好きになれない。

あれ?この感情移入の出来なさっぷりはいつものキング作品か。

【ストーリーを忘れるであろう未来の自分用あらすじ】
親から授かった土地を売ろうとする妻、それに反対する夫、近所に住む少女に恋をした15歳の息子。
利害関係が一致した父と息子はある夜妻を殺害して井戸に捨てる。
後日、確認の為に井戸を除くと妻の死体にはネズミが群がっていた。
その瞬間から主人公は鼠に対して恐怖を抱くようになる。
息子は交際してる少女を妊娠させる。
激怒した少女の父親によって、彼女は養育園に入れられることとなる。
恋人を救い、逃避行するために家のトラックを持ち出し家出する息子。
金のない二人は強盗を続け、しまいに少女は撃ち殺され、絶望した息子は自殺する。
その遺体は鼠にかじられていた。
息子の死を知り、なにもかもを失ってしまった父親。
家もボロボロになり、少女の父親に畑の売却を持ちかけるも断られる。
「あの時、土地を売っていたらこんな事にはならなかったのだろうか」と、父親は過去を嘆き死んでいった三人の幻覚を見る。
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