Haru

ベン・イズ・バックのHaruのレビュー・感想・評価

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)
3.8
終始漂う緊張感は暖かい家族の瞬間の中でも消えることがなかった。それぞれの愛は形が違っていて、幼い兄弟の無垢な愛もあれば、母親の執拗な愛も全てが愛。最初無条件の愛で身勝手に見えた母親の愛は結局何よりも強かった。Maggieの母親の言った“Hold it tight”は母親の愛の全てだった。ジュリア・ロバーツの演技全てがとても自然。強くもあり弱くもある。息子を監視し信用していない失望の中でも見守りながら溢れる笑みは本当に優しくて、一人で全てを背負おうとする息子への確固たる譲らない姿勢は何よりも強かった。Benの言う”I’m not worth it”ほど深い悲しみはない。まるでドラッグ中毒やリハビリを無いものかのように取り繕おうとしても、関係は決して戻りはしない。Ivyの不信感はずっとそこにあったんだけど、後半で泣いてしまうシーンで、彼女のBenに対する愛が見えた。ドラッグはいつでもすぐそこにある。そしてドラッグを通して築き上げた関係も決して彼を離してはくれない。Benは助けを求め母も助けたい一心。それなのにどれだけ望んでも助けてあげることはできなくて、誰も正解が見出せない。全体的に空間よりも人間にフォーカスしていたので構図が面白かった。幸せと緊張感の共存はとても脆くて揺さぶられた。極限の危うさの中で母親の強さが露呈した。人間としてどう行動していいかわからない弱さを見せながらも心の奥底の親としての強さはどうしてもそこに留まっていた。

@ Arclight Hollywood