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ドント・ウォーリーのkyokoのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.7
ひっそりとガス・ヴァン・サント監督が来日していて、しかもティーチインつきで最新作の最速上映会なるものがあると知ったときにはほぼ満席状態。最後の一席をもぎとったのは私じゃないかしらってぐらいぎりぎりだった。

いきなりのキムゴードンに「おおっ」とのけぞり、ルーニーマーラのベリーショートに心奪われ(ジャケ写参照)。ホアキンも素晴らしかったしジャックブラックはそもそも大好きだし。でも最後に印象を強く残したのはお金持ちの胡散臭さと哀しみとふわふわな愛を纏わせたジョナヒルだった。

「グッド・ウィル・ハンティング」を思い出す。
己を受容することがすべての始まりだということ。
自分を救ってくれた人もまた、救われているということ。

相変わらずいちいち説明しないので、唐突に感じる場面は多々あるし、特に泣かそうとしているわけでもないと思う(泣いてる人もいたけれど)。
人生の転機ってきっとこんなもんなのよ。
それが沁みるのよね。

監督はaa(断酒会)のようなものが日本には馴染みがないことで、この作品は分かりづらいのではとしきりに心配していたけれど、どちらかと言えばキャラハンの描く風刺漫画の面白さを瞬時に理解するほうが難しかった(KKKのネタは好き)。

原題「Don't Worry, He Won't Get Far on Foot」
邦題は途中で切って全く意味を変えてしまうといういつもの安易なやり方。
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