来夢

ドント・ウォーリーの来夢のレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.6
普通の人が撮ると恥ずかしいくらいベッタベタになりそうな話を、静かにスッと心に落としてくれるのがガス・ヴァン・サントの魅力。今作は特にわかりやすくそんな感じ。
序盤は「自業自得だし感情移入できないよなぁ」って思ってしまっていたけれど、その見方で正しかったと後半で解るので、そんな正直な気持ちで観て良かった。
主人公の抱える問題以外にも色々な要素が入っているけれど、どれも監督の過去作品に通じるものだったりするのも凄いよね。実在の人物の伝記作品の中に、しっかりガスの言葉が反映されているのは見事。

そしてもう一つ素晴らしきはホアキン・フェニックス。見る度に誉めてる気がするけれど、分かってて観てるのに、どうしてもホアキンに見えない。見た目とかの問題じゃなくてね。この歳でまだ進化し続けるホアキンに今後も期待。

時系列だけ気をつけて観れば分かりやすい作りだけれど、深い意味が隠されているシーンも多いので、ボーッとしている余裕はなく、隅々まで楽しめる良き映画でした。
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