美空ーめん

モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~の美空ーめんのレビュー・感想・評価

2.9
「感情」が「才能」として人の心を動かすなら…………


冒頭はロンドンのとあるカップルの別れのシーン
そこから、二人の出会いから始まる回想へ

主人公は音楽の最新テクノロジーを嫌い
アナログの良さを愛する若きミュージシャン。
社会と時代の流れに逆らって幻想を抱き続ける彼の生き方を
物理的に表現したカットがあり、
次に、二人の生活のために夢を諦め社会の歯車として働く彼女の視点
このわかり易い対比には小さな伏線が散りばめられていて
後半で仕掛けとして登場する

実在する英国の有名ミュージシャンの名前がかなりたくさん出てくるので
知っていればもっと楽しめる……はず。

ヒロインの女の子はそばかすと唇がとってもキュートだし
主人公役の俳優さんは右目がどことなくラミ・マレックに似てる

パステルカラーの淡いフィルターが架かった映像はまさに夢物語であることをあらわしていて
ミュージックビデオさながらのビジュアルと
音楽青春映画のテンプレをなぞる様なストーリー展開
だからこそあそこで終わらせとけばってきっと誰もが思う
でもそれはそれで完璧すぎる気もする…

自分の世界から抜け出せず手づくりにこだわる
不器用でクソガキな主人公の、最後の悪あがきと解釈することもできる

道の途中でもがいている人間には痛い映画。
美空ーめん

美空ーめん