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日日是好日のmikeのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.5
両祖母がお茶の先生だったので、なつかしく感じられる作品だった。所作や室礼のうつくしさ、四季の移り変わりを味わう感性、すっと凪ぐ心。

おとなになってからバレエを習っている身としては、お稽古ごとあるあるの描写も響いた。自分の中に蓄積される先生の言葉、自分なりに良かった出来を先生に認められる瞬間、スランプ期、稽古に現れる自分の性格やコンプレックス、若手ルーキーの驚異的な伸び、稽古仲間との関係性、など。まず『形』からというところやわりと上品な女性中心のコミュニティという点も似ているのだ。

ただ、繊細な描写や演技で充分に伝わっているところに、必ず一つ余計なモノローグや演出が乗っているように感じられたのが、非常に惜しかった。茶道というテーマを考えても、もっと役者や観客の力を信じて、余白や省略のある映画にして良かったと思う。
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