わたしは幼少期より茶を嗜んできて、茶歴30年以上になる
母が茶道を教えていて、家に茶室や茶道具があるのは当たり前だし、休みの日はたいがいお茶事だお茶会だなんだと茶道関係の用事で母は飛び回っていたし、友達が家に遊びに来るとコーヒーとケーキではなくお薄と茶菓子が出てくるような家庭だった
茶道が常にわたしの人生に寄り添ってきた
だからこの映画で描かれることはわたしの日常で、まるで心身まで沁み渡るように物語がすっとわたしの中に入り込んできた
うちは裏千家で、映画の中で描かれるのは表千家という些少の違いはあるものの、茶の湯に身を置く人間ならば、流派に関わらずこの映画はあるあるの宝庫だし、とても心に沁みると思う
茶道の楽しさ美しさおもしろさ奥深さ、すべてがこの映画には詰まっている
なにより、茶道を習っていくことで得られる"知る喜び"を、改めて思い出させてくれた
人生のほとんどを茶の湯に寄り添って生きている茶人の端くれとして、この映画の制作陣には感謝しかない
