かずシネマ

日日是好日のかずシネマのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.8
93年にハタチの人が10歳で親に連れられて「道」を観たって事は83年頃?
リバイバル上映とかかな。
良い映画よな、道。

「細部に神は宿る」と云うけれど、茶道って正にそれよな。
伝統を重んじる為に「意味は分からないけどそういうものだから」決まった動作をする。
これは「形式だけなぞってやっときゃいい」ってのとは全然違う事よな。
自分は心得がなくて観てるだけなのに袱紗のところでもう躓きそうやったw
前からずっと興味はあるんやけどなぁ。。
あの一連の所作を自然に出来る様になったら、それはそれは嬉しいだろうなぁ。

逃げ場が逃げ場にならない様な、好きな事にも勿論ムラがあるもんで。
雨でも気分が爽快な日もあれば、晴れていても気分が優れない日もある。
良い時も、悪い時も、支えになってくれる、夢中になれる好きな事があって良かったよね。
「ミチコは先へ先へ行ってしまう」とずっと思っていた様やけど、ミチコちゃんはミチコちゃんでとても葛藤している様に思えた。

お正月のシーン好き。
その場の全員が着物って華があるし、やっぱり良いものやな。
達磨さんの絵のシーンも。
「ただ美味しいお茶を飲みに来ればいいじゃないの」の台詞のタイミングもとても良かった。
桜の散る縁側で2人が座って会話をしているシーンと黒木華が叫んでいる心象風景の場面で泣きそうになった。
特に縁側のシーンは、希林さんが声をかける様子がもうこれホンマに素なんじゃいかってくらい自然で。。どないなってんや。

観ているだけで主人公の気持ちが分かる様な、彼女と一緒に五感が研ぎ澄まされる感覚になる映像が良かった。
長いこと分からない事が分かる時。
どれくらい訪れるかな。

どうでもええけど、ユーミンの「真夏の夜の夢」のカラオケのシーン、この当時のカラオケならもっともっと音が悪い気がするわw
あと個人的に、ネットが一般的になるよりも前(90年代後半以前)から活動されているフリーライターさんって、きっかけはどんな感じやったんか少し気になってたから、こういう入口があったんやなと知る事が出来てちょっとスッキリした。
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