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日日是好日のiceblueのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.0
毎日が佳き日。
上品で優しい先生の素敵なお宅で二十年以上続いたお茶のお稽古。袱紗の扱いから希林さんの所作に釘づけ。自分もお稽古しているように背筋がぴんとする。体が覚えるまで何年も繰り返す内に心に変化が現れる…それは続けた人にしかわからない。そんな深い世界をちょっとだけ体感したような感じ。
 
迷いが多く不器用な主人公にとって、茶道は雑念を浄化させ、心を無にする大切な時間だったのでは。そんな彼女を見守る父親の視線や‘間’に深い愛情を感じ、親のあり方にも感動しました。
 
季節感や様々な‘音’の演出が印象的で、何よりお稽古シーンの和のしつらいに目が行きます。
ちらっとしか映らない炉の縁の見事な細工や、夏に障子を簾戸に掛けかえているところなど、私は静かに興奮してしまいました。
着物、茶器、掛軸、生け花、和菓子…そのすべてに意味がある。四季の情緒を愛でてさりげなく人をもてなす心意気。あらゆるものに目を向け耳を澄ませば日常は豊かさで満ちている。
永く続いた日本人のそういう精神世界の奥深さに改めて気づかせてもらいました。和の文化って素晴らしい!
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