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日日是好日のぴよぴよのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.9
実家の亡くなった母はお茶の先生でした。学校から帰ると生徒さんが来ていて私も一緒にお稽古してました。母が亡くなるまで続けていたお茶🍵

だからわかります…所作の美しさ✨樹木希林の丸みを帯びた手がお道具をふっくらと包み込むように扱う…すべてが優しさに溢れてます。

黒木華は従姉妹の多部未華子と樹木希林の元へお茶を習いに行く事に…最初ぎこちなかった2人も、歳を重ねる毎にお茶が好きになっていきます。

"頭で考えなくても自然と手が動くようになるのよ"と言う樹木希林の教え…とってもよくわかります。右・左・右と覚えなくても自然に手が動くようになり、まろやかで流れるような動きになっていきます。

私も表千家だったので、お稽古のひとつひとつや季節ごとの行事を懐かしく感じました。袱紗捌き・割稽古・炉・風炉・お茶事・初釜…そして昔から変わらない一期一会を大切にする茶道の教え。

お道具を愛で、お菓子やお茶やお料理を大切に味わって口にし、季節を感じ…ゆったりとお茶室で過ごす静かな時間は、何ものにも代え難い至福の時です。

そんなお茶の心を体現しているような樹木希林…存在感のある先生です。黒木華に優しく寄り添い、彼女の毎週土曜日のお稽古日を、そして人生を豊かにしてくれます。

お茶を点ててお客様に振る舞う…ただそれだけの事だけど、茶道って深いなぁと改めて感じました。

日日是好日…毎日が最高で素晴らしい日とは決して言えないけど、どの日も二度と来ないかけがえのない一日。だから毎日を大切に生きなきゃと教えてくれます。

いつも着物を着てお点前する生徒さんの側に座ってる樹木希林。亡き母と重なり、じんわりあったかい気持ちになりました😊
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