原作はエッセイなんですね。
生きるとはこういうことなのよって、お茶のお稽古を通して感じることができるような、そんな感じがした。
人間のドラマと一緒に流れている自然。
主役は人間でもあり自然でもある。
世の中に溢れてる自然は人工のものばかりだけど、それでも人間ってちっぽけな存在だよなって思わされる。
目の前のこと、自分が今いるところに集中して生きること。
お茶をしていくうちに身につけていけそうで、いいな、羨ましいなって思った。
決まり事、形ばかりだと思っていたものの向こう側に、広くて深い世界があったことに気づいていく様子も素敵だった。
梅雨の雨音を感じて過ごそうと思った。
それから、昔は飛行機も電車も、気軽にやり取りできる電話もスマホもなかった。
寿命だって短くて、今日がもしかしたら最期になるかもしれないという感覚がもっと身近にあったこと。
趣深く生きていられることができたのは、そういう感覚がとても大きかったと思う。
今、なんでも便利になってしまって、なんでも簡単に手に入ってしまうようになって、消えてしまったものは何なのか。
それを考えてみる機会にもなると思う。
長生きすることが、必ずしも幸せではないのかもしれない。