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小さな橋でのKUBOのレビュー・感想・評価

小さな橋で(2017年製作の映画)
3.0
チャンバラが一度もない時代劇も珍しい。いわば子どもを主人公にした江戸時代のホームドラマ。時代劇専門チャンネルと松竹制作の「橋ものがたり」シリーズの内の1本。

借金を作って家族を捨てて家を出た父(江口洋介)。家計を支えるために飲み屋で働く母(松雪泰子)。勤め先の妻子持ちの手代と駆け落ちする姉。そしてその弟が主人公。

子役ありきの企画だが、主演の田中奏生くんは及第点とも言えなくはないが「芝居をしている」ことを感じさせる域からは出ていない。「三丁目の夕日」の須賀健太並みの演技なら、全く別ものになっていたかもしれない。

また主人公の子役の気持ちを全てモノローグで語らせる脚本・演出にも疑問。特に「悲しかった」まで語らせるのは、演技の放棄にも見えたし、そこを演技で見せるのが映像化ではないのか?

つまらなかったわけではないが、作品の作り方には大いに疑問を感じた。
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