ゆめちん

シークレット・スーパースターのゆめちんのレビュー・感想・評価

4.5
シークレット・スーパースター

色々と凝った作品が溢れる中、素直に泣いて笑って感動したいという思いがあるからか、こういった作品に惹かれるのでしょう。

怒りはすべて父親に向けられ、笑いはすべてアーミル・カーンが持っていきましたが、また素晴らしい🇮🇳インド映画に出会えました。

歌が大好きでいつしか歌手になることを夢見る15歳の少女インシア。そんな彼女を母のナジマーは応援し支えてくれますが、厳格な父が娘の音楽好きを快く思わないことから、顔を隠してYouTubeに自分の歌をアップすることを思いつきます。

本作は音楽を通じて描かれる母娘の愛を軸として、その背景に今なお蔓延る性差別へのメッセージがしっかりと込められ、力強さを感じました。

存在自体が息苦しく、観ていて不快感しか抱かない父親を性差別の象徴として描くのに対し、常にインシアを励ましながら優しく寄り添うチンタンとグッドゥに、理想の男性像を想像させ、その見せ方が印象的でした。

すべてを諦めながら女性差別の中を生き抜いた大叔母、逆らいながらインシアを産むも未だにその境遇に苦しむナジマー、そんな母親から "女の子" という意味の名前を与えられ、夢に向かって突き進むインシア、そんな3人の姿を通して、変わりつつある時代の流れに、女性たちに希望を見いだして欲しいという願いが込められているように映りました。

今作てはアーミル・カーンは脇に回るものの、重要で個性の強い役を見事に演じ、作品に笑いというアクセントを加え、これが本当の姿では・・と思ってしまうくらい楽しそうに演じていました。

インシアの歌声で考えを改め直したシャクティが、エンドロールで懲りずに魅せてくれるので、お楽しみに!