hayu

シークレット・スーパースターのhayuのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

インドではきっと普通の家庭の母と娘、それぞれの戦いの物語。
厳しい家庭環境で、歌手への夢を諦められずもがく娘。小さな町で燻る才能がインターネットを通して有名プロデューサーの目に留まりプロデビュー、というところまでは出来すぎたありがちサクセスストーリー。
娘を支える母親の姿が深く印象に残る。一見現状維持を望む、風習や周りにのまれる弱い人物に見えるが、本作における女性の革命はすべて彼女が起こしているといっても過言ではない。すべての行動(離婚を拒むことも含め)の判断基準は娘の幸せ。クライマックスで大きな決断をする葛藤は想像を超えるものだろう。

娘の出生は息子に比べて喜ばれない。女には学もスキルもなく、結婚相手を自由に選べず、結婚後は家庭を守る存在で、離婚しても自力で生きていくことは難しい。外側から頭ごなしに良し悪しを語ることはできないけれど、本作やダンガルのような映画で新しい風が吹いて夢を持つ女性が増えるといいなと思う。

インドの社会問題をエンターテイメントとしてみせるのはさすがアーミルカーン作品ならでは。恐ろしく強烈なキャラクターかつキーパーソンであるも脇役に徹したのもよかった。
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