マリオ映画の監督コンビが手掛けた長編デビュー作であり、DCコミックスを原案とした作品ということで鑑賞。
バットマンの相棒・ロビンをリーダーとする若手ヒーローチーム"ティーン・タイタンズ"
人気ヒーローの証である"主演映画"の実現に向け、ロビンは映画監督のジェイドに直談判を行うが却下されてしまう。
そんな中、最強の敵・スレイド(デスストローク)が現れたことで挽回のチャンスを狙うロビンだったが……。
DC作品のファンのみならず、マーベル作品や映画好きには楽しい小ネタが盛りだくさんの快作コメディアニメだった。
正直、近年のカートゥーンアニメに見慣れていないのもあり、映画の映像としての満足度は物足りないのと感じたが、それを補うほどのメタネタと王道のクライマックスは素晴らしい。
DCネタとしては『バットマン vs スーパーマン……』の"母親の名前がマーサ"という下りや、『ダークナイト』のバットポット変形シーンをイジるなど、「まさか、それ、公式でやるのか……」というネタが連発。
特に、デッドプールの元ネタであるスレイド(別名・デスストローク。ドラマ「アロー」で大活躍したほか、『ジャスティス・リーグ』のミッドクレジットでは思わせ振りに登場)を、その背景を踏まえて、ネタにしているのが面白かった。
その他にも、BTTFや『ライオンキング』といった名作映画に加え、GOTGへの言及やマーベル映画のレジェンド・スタンリーが"出たがりおじさん"として登場(実際に数多くのマーベル映画にカメオ出演している)。
見境なく、映画パロディを盛り込んだ作風が楽しかった。
その一方でDCコミック関連に対しては、オマージュ要素が多いのも見所。
冒頭からDC作品のスタジオロゴがカートゥーン化されていたり、人気ヒーローたちのオリジン話が登場したり、モブとはいえ、スーパーマンの愛犬・クリプト(『DC がんばれ……』の主人公)やシャザム、スワンプシングといったマイナーキャラクターも出演しているため、DC映画を追っている人には必見の作品になっていた。
基本はおふざけでハチャメチャでありながら、最後には王道のヒーロー映画になっていく本作。
主人公がある映像を見て立ち上がるクライマックスの展開など、映画マリオの原点と言える部分も多いため、ファンは観ておいて損のない作品だと思った。
P.S.
ちなみに、ティーン・タイタンズのアニメシリーズは、元々、通常の人間と同じ等身のクールなキャラクターたちが活躍する普通のヒーローアニメだった模様(「ティーン・タイタンズ」時代)。
それが、「……Go」という名を冠して、カートゥーン化&パロディアニメへと方向転換したとのこと。
本作の続編映画は、これらのシリーズがクロスオーバーする『Teen Titans Go! vs. Teen Titans』(日本未公開)だったため、エンドクレジットでは、その伏線が張られている。
参考
『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』(2018)/ほぼ全編ギャグだけどDCEUのどの実写映画よりグッと来ました。マリオの映画の監督&脚本だけあって全体的に似てた🎬 - gock221B
https://gock221b.hatenablog.com/entry/2023/06/11/012201
(かなり参考になった有識者の記事)
ニコラス・ケイジ、スーパーマン役演じる!DCアニメ映画『ティーン・タイタンズ GO!』で長年の夢叶う | THE RIVER
https://theriver.jp/nicholas-superman-ttg/
(全然、気づかなかったが、スーパーヒーロー役の声優にも様々なこだわりが……!)
DC「ティーン・タイタンズ」が実写映画化! : 映画ニュース - 映画.com
https://eiga.com/news/20240321/5/
(まさかの実写化が進行中)