kamakurah

レイニーデイ・イン・ニューヨークのkamakurahのレビュー・感想・評価

3.0
84歳、ウディ・アレン、永遠に変わらないスタイルを良しとして、撮り続けてさえいてくれれば何も言うことなしと全面肯定するか、きちんと批評するべきか悩ましい。個人的には作品への評価とは別に、途中から腹が立ってきた。ニューヨークテイストのお洒落なラブコメ佳品とする向きが多いのかも知れないが、スノップ会話に終始する前時代趣味の所謂「オワコン」作品としか評しようのない一本でもあってアレン世界を10代から観続けてきた者としては、昨日のダイアン・キートンへの思いと同じく複雑な気持ちがずっと続いている。作品自体は当代の人気者ふたりを並べて軽快にまとめあげていて、紛れもなくウディ・アレンそのものだけれども、それが今も変わらず自分には必要なのかと自問すると否との自答が湧き起こるのを否定できない。腹立ちの理由はマンネリを良しとしない自分の素直な気持ちだった。それでも若い観客には新鮮なのかな。
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