マクガフィン

こどもしょくどうのマクガフィンのレビュー・感想・評価

こどもしょくどう(2017年製作の映画)
3.6
主人公(藤本哉汰)の幼なじみ(浅川蓮)のイジメへの傍観する贖罪と受動的な自分への脱皮がプロセスになっているが、困った子に手を差し伸べるシンプルな子供の視点が良い。また、子供世界に焦点を絞ることで、何故子供のような純粋な気持ちになれないのかの問いかけにも。いじめへの傍観は、社会や世間に見過ごされる問題のメタ的でもあり、子供と大人の対比や繋がりにも。

「誰も知らない」と設定が似ていることもあるが、一辺倒なテイストでないことが好感に。全てを理解している姉と、現状を理解していない妹の対比が切なく、妹の無邪気さと姉の次第に精神が虫歯られて壊れる寸前な情念を表現した子役たちに感心する。また、肝っ玉母さんを演じた主人公の母・常盤貴子の包みこむ暖かさと暴走しそうな危うさの狭間を見せたことや、余り良い印象が無かった吉岡秀隆の抑えた演技など、全般的に役者の演出も光る。橋→河原→海と繋がる心象背景も効果的に。

ラストの道徳ドラマ的な結末だと、対価としての経済が描かれていないのが惜しかったが、人はどこまで手助けできるかや、心の拠り所の大切さと同時に、欠食した子どもに食べ物を与えることの、教育以前の人道的支援の重要さが胸に突き刺さる。