bluemomday0105

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬のbluemomday0105のレビュー・感想・評価

3.8
デヴィッド・ボウイ「ヒーローズ」のジャケットやマーク・ボランらのポートレイトで知られる写真家、鋤田正義氏の活動を追ったドキュメンタリー。豪華ゲストにつられた所もありますが面白かった。

冒頭の布袋寅泰のライブ、最前列の手前でシャッターを切るずんぐりとした男性。え、このおじさんが鋤田正義! めっちゃ普通やねんけど!
キャリア的にもっと巨匠感出した方かと思ってたから意外。故郷の商店街に佇む姿は地元のおじさんだし、カメラ下げてロンドンを歩く姿は初めてやってきた日本人観光客みたい。街歩いてても気に止めないくらい普通のおっちゃん。

なのに、その作品は皆知っている。親愛の情を込めて「スキタサン」と呼ぶ。
ポール・スミスが言うてたように、鋤田氏の写真は被写体の本質をうまく映し出している。素材の魅力を最大に表してるから、皆さん彼のお仕事を絶賛するんだろう。
今回初見で知ってハッとさせられたのは、メンズファッションブランドの広告写真。アートディレクター宮原鉄生氏の、人物の横顔とカラスの横顔を合わせた発想が凄い。

戦中に北九州で生まれ、10代でカメラを手にし大阪の写真学校に入学。大阪の広告代理店から東京のデザインプロダクションに移り、ファッション等の仕事を経由し海外や国内のロックミュージシャンの写真を撮影するようになる。
鋤田氏が私の父親とほぼ同年代なのが信じられないくらい華々しいキャリア。
あの頃の都会と田舎、本当に歴然たる差があったのでしょう…。

そして80前と聞いて驚いた。見た目もっと若く見えるもの。ミーハーとは仰るけど、デジタルにも貪欲に取り組み行きたい所にも行く。
若いミュージシャンとの撮影も厭わず(MIYAVI以外にも黒木渚の撮影もしてたんですね)、自分の写真に紙を貼った「The Next Day」のデザイナーにも会いに行く。
その若さは好奇心の強さやフットワークの軽さ故か。そして「もうひと手間」かけることの大切さ。
クリエイターの方には非常に学びがある作品。

惜しむらくはロンドン行く前に観たかった…マーク・ボランの像やジギースターダストのオーナメント?みたかった。ブリクストンのあの壁画は見たけれど、鋤田氏のサインには全く気づかなかった…(`;ω;´)

余談ですが、ボウイのあの寛斎の衣装がニッカポッカにインスパイアされたことと、マーク・ボランの遺品のTシャツが現在マルコシアスバンプの秋間さんが所有してることを初めて知りました。